【体験談】実家の遺品整理をやってみた記録

この記事では、編集部スタッフが実際に経験した、実家の遺品整理の体験談を紹介します。

何から手をつければよいのか分からず戸惑った日々や、実際にやってみて気づいたことを、当時の記録をもとに振り返ってみました。

項目

突然の別れと、残された実家

父が亡くなったのは、母を見送ってから5年ほど経った頃でした。一人暮らしを続けていた実家には、想像していた以上に多くの荷物が残されていました。

四十九日を過ぎた頃、兄弟で相談し、週末を使って実家の片付けを進めることに決めました。まとまった休みを取れる兄弟が少なく、結局3日間に分けて作業をすることになったのを覚えています。

恥ずかしながら、それまで遺品整理について具体的に調べたことは一度もありませんでした。何を用意すればいいのか、どこから手をつければいいのかも分からないまま、当日を迎えることになったのが正直なところです。この記事では、そんな手探り状態からのスタートだったからこそ得られた気づきを、包み隠さずお伝えできればと思います。

何から手をつければいいのか分からなかった1日目

実際に実家に着いてみると、想像していたよりも荷物の量に圧倒されました。押し入れを開けるたびに新たな荷物が出てきて、正直なところ何から手をつければよいのか分からず、しばらく立ち尽くしてしまったほどです。

結局1日目は、通帳や権利書などの重要書類を探すことだけに集中しました。書類は思っていた以上にあちこちに分散していて、見つけるだけでほぼ1日が終わってしまいました。

押し入れの奥から出てきた古い菓子箱の中に、へそくりらしき現金が入っていたのも、この日の出来事です。危うくそのまま処分するところだったので、今思い返してもヒヤリとします。事前に「重要な物は箱の中に隠れていることがある」と知っていたおかげで、慎重に確認する習慣がついていたのだと思います。

仕分けを進める中で気づいたこと

2日目以降、実際に仕分け作業を進める中で、いくつか印象に残った気づきがありました。

気づき1:想像以上に物が多かった

父は物を大切にする人でしたが、その分、何十年も前の物まで大量に残っていました。同じような物が何個も出てきて、仕分けの判断だけでも相当な時間がかかったのを覚えています。

気づき2:捨てられない物との向き合い方

古い写真や手紙が出てくるたびに、つい手を止めて見入ってしまい、なかなか作業が進みませんでした。今振り返ると、無理に一気に片付けようとせず、そうした時間も含めて必要なプロセスだったのだと思います。

特に印象に残っているのは、父が几帳面な字で書き溜めていた家計簿でした。母が亡くなってからの5年分、毎日欠かさずつけられていて、几帳面だった父の性格そのままの記録に、兄弟全員で言葉を失ったのを覚えています。結局その家計簿は処分せず、代表して長男が保管することになりました。こうした「物としての価値はなくても手放せないもの」に出会うたびに、作業の手を止めて家族で話し合う時間を大切にしました。

気づき3:家族で分担することの大切さ

一人ですべてを判断しようとすると、精神的にも体力的にもかなりの負担になっていたと思います。兄弟で「これは残す」「これは処分する」と相談しながら進められたことは、結果的に大きな支えになりました。

当初は3人兄弟のうち1人だけが実家に近く住んでいたため、その兄に負担が偏りそうになった場面もありました。しかし事前に「作業日は全員でそろえる」と決めていたおかげで、特定の誰かに責任が集中することなく進められました。遠方に住む兄弟がいる場合こそ、事前のスケジュール調整が何より大切だと痛感した出来事です。

業者に依頼した部分と自分でやった部分

最終的に、仕分けや重要書類の確認は家族だけで行い、大型家具の搬出とハウスクリーニングだけを業者に依頼することにしました。すべてを自分たちで行うのは体力的に難しいと判断したためです。

複数社から見積もりを取り、内訳が明確だった業者にお願いしましたが、当日はスタッフの方が丁寧に対応してくれて、思っていたよりもスムーズに搬出まで終えることができました。仕分けは自分たちで、力仕事は業者に、という組み合わせが、我が家にはちょうどよいバランスだったように思います。

見積もりの際、一部の家具は買取に出せると教えてもらい、想定より作業費用を抑えられたのも助かった点です。処分するつもりだった食器棚が、思いのほか査定額がついたときは、家族全員で少し驚いたのを覚えています。

やってよかったこと・後悔していること

実際にやってみて、良かったと感じたことと、少し後悔していることの両方がありました。

やってよかったこと

家族で一緒に手を動かしながら、父との思い出を振り返る時間を持てたことは、今でも良かったと思っています。写真だけは全員で確認し、それぞれ欲しい物を分け合えたことも、良い記憶として残っています。

作業の合間に、実家近くの喫茶店で休憩を挟んだことも、振り返れば良い時間でした。黙々と片付けるだけでなく、こうした息抜きを挟んだことで、精神的な負担がだいぶ軽くなっていたように思います。効率だけを追い求めず、家族との時間そのものを大切にできたことが、一番の収穫だったのかもしれません。

少し後悔していること

一方で、事前に自治体のごみ出しルールをよく調べていなかったため、当日になって分別に手間取ってしまったのは反省点です。もう少し前もって準備しておけば、もっとスムーズに進められたはずだと感じています。

また、実家が賃貸ではなく持ち家だったこともあり、退去期限のようなタイムリミットがなかった分、逆にダラダラと日程を先延ばしにしてしまった面もありました。結果的に3日間で終わらせられましたが、最初にもう少し具体的なスケジュールを立てておけば、家族それぞれの予定調整ももっと楽だったのではないかと思います。

これから遺品整理をする人へのアドバイス

実際に経験してみて感じたのは、すべてを完璧にこなそうとしなくてよいということです。重要書類の確認さえ済ませておけば、あとは家族のペースで少しずつ進めても問題ないはずです。

また、無理をせず一部だけでも業者に頼るという選択肢を、もっと早く知っておきたかったとも思います。これから遺品整理をする方には、一人で抱え込まず、頼れるところは頼りながら進めてほしいと思います。

今振り返ると、四十九日を待たずに重要書類だけでも先に確認しておいたのは、結果的に良い判断だったと感じています。逆に、思い出の品に関しては急いで結論を出さず、時間をかけて向き合ってよかったと思える部分でもありました。物によって向き合うペースを変えてよいのだと、実際にやってみて初めて実感できたことです。

まとめ|完璧を目指さなくていい

実家の遺品整理は、想像していた以上に時間と気力を使う作業でした。それでも、家族で分担し、必要な部分だけ業者に依頼するという形で、無理なく終えることができました。

これから遺品整理に向き合う方にも、完璧を目指さず、ご自身や家族に合ったペースで進めていただければと思います。手探りだった私たちでも、家族で助け合いながら形にできました。同じように不安を抱えている方の、少しでも参考になれば幸いです。


本記事は編集部スタッフ個人の体験に基づく内容であり、実際の進め方や感じ方はご家庭の状況によって異なります。

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