近年、遺品整理の中でも新たな課題として注目されているのが「デジタル遺品」の扱いです。スマートフォンやパソコンのロックが解除できず、家族の写真やデータをどう扱えばよいか困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタル遺品を専門に扱う業者がどのようなサービスを提供しているのか、一般的な遺品整理業者との違い、依頼する際の注意点について解説していきます。
項目
デジタル遺品整理業者とは何をしてくれるのか
デジタル遺品整理業者とは、故人が使用していたスマートフォンやパソコン、オンラインサービスのアカウントなど、デジタル領域の遺品を専門的に扱う業者を指します。物理的な遺品とは異なる専門知識が必要になるため、近年専門業者が増えてきています。
ロックの解除やデータの抽出だけでなく、SNSアカウントの解約代行まで対応してくれる業者もあり、依頼できる範囲は業者によってさまざまです。まずはどのようなサービスがあるのか、全体像を把握しておきましょう。
依頼できる主なサービス内容
デジタル遺品整理業者が提供するサービスは多岐にわたります。ここでは代表的な4つの内容を紹介します。
スマートフォン・パソコンのロック解除
パスワードが分からず開けなくなった端末について、専門的な手法でロック解除を試みてもらえます。ただし、必ず解除できるとは限らず、端末の種類やセキュリティ設定によっては対応できないこともあります。
写真・データの抽出とバックアップ
端末内に残された写真や連絡先などのデータを取り出し、家族が扱いやすい形式でバックアップしてもらえます。データを失いたくないという要望に応える、需要の高いサービスの一つです。
SNS・オンラインサービスの解約手続き代行
SNSアカウントや各種サブスクリプションサービスの解約手続きは、遺族だけでは進め方が分からず放置されがちです。専門業者に依頼すれば、必要な手続きを代行してもらえることがあります。
不要なデータの完全消去
端末を処分する前に、個人情報が含まれるデータを完全に消去してもらうサービスもあります。単純な初期化では情報が復元される可能性があるため、専門的な消去技術を持つ業者に依頼する意味は大きいでしょう。
一般の遺品整理業者との違い
遺品整理業者の中には、デジタル遺品にも対応しているところがありますが、専門業者との間には得意分野の違いがあります。次の図で全体像を確認してみましょう。

家具や衣類などの物理的な遺品とあわせて依頼したい場合は、デジタル対応も可能な総合的な遺品整理業者を選ぶとよいでしょう。一方、データの扱いを特に慎重に進めたい場合は、専門業者への依頼が安心につながります。
依頼する際の注意点
デジタル遺品は個人情報の塊でもあるため、依頼する際にはいくつか気をつけたい点があります。
セキュリティ・プライバシーへの配慮
第三者に端末やデータを預ける以上、情報管理体制がしっかりしている業者を選ぶことが重要です。プライバシーポリシーの有無や、作業後のデータ削除について確認しておくと安心できます。
料金体系を事前に確認する
ロック解除の難易度やデータ量によって料金が変動することが多いため、見積もり時に料金体系を詳しく確認しておきましょう。解除できなかった場合の料金の扱いも、事前に聞いておくと安心です。
対応可能な機種・OSを確認する
業者によって対応できる機種やOSのバージョンが異なります。依頼したい端末に対応しているかどうか、問い合わせの段階で確認しておきましょう。
依頼が向いているケース
すべてのご家庭でデジタル遺品専門業者が必要になるわけではありません。ここでは、専門業者への依頼が向いているケースを紹介します。
パスワードが分からず自分では開けない
生前にパスワードを共有していなかった場合、自力での解除は難しいことがほとんどです。こうした場合は専門業者に相談してみる価値があるでしょう。
家族の写真・データだけでも残したい
端末自体は手放しても構わないが、中の写真だけは残したいという場合、データ抽出のサービスが役立ちます。
SNSアカウントの扱いに困っている
SNSの追悼アカウント設定やアカウント削除の手続きが複雑で分からない場合も、専門業者や各サービスのヘルプページを頼ることで解決につながることがあります。
よくある質問
ここまでデジタル遺品整理業者について解説してきましたが、実際に依頼を検討する際には他にも疑問が出てくるものです。ここでは、特によく寄せられる質問を3つ取り上げてお答えします。
Q. ロック解除は必ず成功しますか?
端末のセキュリティ設定によっては、解除できない場合もあります。契約前に、解除できなかった場合の料金の扱いを確認しておくとよいでしょう。
Q. 一般の遺品整理業者に相談してもいいですか?
対応可能な業者もあります。ただし専門的な技術が必要な作業のため、対応範囲や実績を事前に確認しておくことをおすすめします。
Q. データを見られてしまうのが心配です
情報管理体制が整っている業者を選ぶことが大切です。契約前に、作業後のデータ消去やプライバシーポリシーについて確認しておくと安心できます。
まとめ|データの扱いは専門知識のある業者に相談を
デジタル遺品は、物理的な遺品とは異なる専門知識が求められる領域です。ロック解除やデータ抽出、SNSの解約代行など、必要なサービス内容に応じて、一般業者と専門業者を使い分けるとよいでしょう。
個人情報を預ける以上、セキュリティ体制や料金体系を事前にしっかり確認したうえで、安心して依頼できる業者を選んでください。パスワードが分からず途方に暮れている場合でも、専門業者に相談することで解決の糸口が見つかることは少なくありません。
本記事は一般的な情報を紹介するものであり、実際のサービス内容や料金は業者によって異なります。