遺品整理は必ずしも業者に依頼しなければならないものではありません。費用を抑えたい、自分たちの手で丁寧に向き合いたいという理由から、家族だけで進めることを選ぶ方も多くいらっしゃいます。
この記事では、業者に頼まずに自分で遺品整理を進める場合の準備、スケジュールの立て方、費用の目安、注意点までをまとめて解説していきます。
項目
自分で遺品整理をするという選択
遺品整理を自分たちで行う理由は、費用を抑えたいという事情だけとは限りません。故人と過ごした時間を振り返りながら、一つひとつ手に取って確認したいという気持ちから、あえて業者に頼まない方も少なくないでしょう。
一方で、荷物の量や体力面によっては、すべてを自分たちだけで完結させるのが難しい場合もあります。特に一戸建てで荷物が多いご家庭では、想像以上に時間と労力がかかることもあるでしょう。まずは無理のない範囲を見極めながら進めることが大切です。
始める前に準備しておきたいもの
作業に取りかかる前に、いくつかの道具と情報を準備しておくと、当日の進みがスムーズになります。ここでは代表的な3つを紹介します。
仕分け用の道具・資材
ゴミ袋、段ボール、軍手、マジックペン、ガムテープなどは最低限そろえておきましょう。「残す」「処分する」「保留」を分けるための箱やケースも、あらかじめ用意しておくと仕分けがはかどります。
自治体のごみ出しルールの確認
可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみの分別方法は自治体によって異なります。作業を始める前に、お住まいの地域のルールをホームページなどで確認しておくと、後から仕分け直す手間を防げるでしょう。
大型ごみ・粗大ごみの処分方法の確認
タンスやベッドなどの大型家具は、通常のごみ収集では回収してもらえないことがほとんどです。粗大ごみとして申し込みが必要な場合が多いため、事前に予約の要否や手数料を調べておきましょう。
自分で進める際のスケジュールの立て方
自分たちだけで進める場合、無理な計画を立ててしまうと途中で疲れ果ててしまうことがあります。ここでは、無理なく進めるための3つの考え方を紹介します。
一度に終わらせようとしない
荷物の量にもよりますが、一日ですべてを終わらせようとすると、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。数日から数週間かけて、無理のないペースで進める計画を立てておきましょう。
部屋・エリアごとに区切って進める
家全体を一気に仕分けようとせず、部屋ごと、あるいは収納ごとに区切って進めると、達成感を得やすく作業も続けやすくなります。今日はこの部屋だけ、というように小さな目標を設定するとよいでしょう。
人手を確保しておく
一人で抱え込まず、家族や親族に協力を呼びかけておくことも大切です。特に大型家具の搬出は一人では危険を伴うため、複数人で作業できる日程を事前に調整しておきましょう。
費用はどれくらいかかるのか
自分で進める場合、業者への依頼費用はかかりませんが、資材費や処分費用など、いくつかの実費が発生します。1Rの部屋を想定した場合のおおよその目安は次の通りです。

これらを合計すると、1R程度の部屋であればおおよそ1万円台から2万円台に収まることが多く、業者に依頼する場合の相場と比べると大きく抑えられる傾向があります。ただし、荷物の量が多い場合や大型家具が複数ある場合は、この目安より費用がかさむこともあるため、あくまで参考として捉えてください。
自分で進めるときの注意点
費用を抑えられる一方で、自分たちだけで進める場合ならではの注意点もあります。ここでは特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。
大型家具・家電の搬出には注意
タンスや冷蔵庫などの重量物は、運び方を誤ると怪我につながる恐れがあります。無理に一人で持ち上げようとせず、複数人で運ぶか、必要であれば搬出だけでも専門業者に依頼することを検討しましょう。
高所・重量物の作業は無理をしない
高い収納棚の荷物を下ろす作業なども、脚立の使用に慣れていないと転倒のリスクがあります。無理な体勢での作業は避け、安全を最優先に進めてください。
精神的な負担も考慮する
自分たちで進める場合、遺品一つひとつに向き合う時間が長くなる分、精神的な負担も大きくなりがちです。つらいと感じたら無理をせず、いったん作業を中断する勇気も必要でしょう。
一部だけ業者に依頼するという選択肢
すべてを自分たちで行うか、すべてを業者に任せるかという二択で考える必要はありません。作業の一部だけを依頼する、という組み合わせ方も検討してみましょう。
仕分けは自分で、搬出だけ依頼する
思い出の品に関わる仕分けは家族の手で行い、力仕事となる搬出だけを業者に依頼する方法は、費用と負担のバランスを取りやすい選択肢です。多くの業者がこうした部分的な依頼にも対応しています。
大型家電のみ回収を依頼する
冷蔵庫やエアコンなど、家電リサイクル法の対象になる家電は、自治体では回収してもらえないことがあります。こうした品目だけ回収業者に依頼し、それ以外は自分たちで進めるという組み合わせも可能です。
よくある質問
ここまで自分で進める場合の方法を解説してきましたが、実際に取り組む段階では細かい疑問も出てくるものです。ここでは、特によく寄せられる質問を3つ取り上げてお答えします。
Q. どのくらいの期間で終わらせればいいですか?
明確な期限はありませんが、賃貸の退去期限がある場合はそれに合わせる必要があります。特に期限がなければ、数週間から数ヶ月かけてゆっくり進めても問題ないでしょう。
Q. 途中で業者に切り替えることはできますか?
可能です。仕分けまで自分で進め、搬出や清掃だけを業者に依頼するという方法を取る方は少なくありません。作業の途中でも、多くの業者が部分的な依頼に対応しています。
Q. 一人暮らしの部屋でも自分でできますか?
1Rや1K程度の広さであれば、自分たちだけで進めやすい規模といえます。ただし大型家具がある場合は、搬出時に無理をしないよう注意してください。
まとめ|無理のない範囲で自分たちのペースを大切に
自分で遺品整理を進めることは、費用を抑えられるだけでなく、故人との時間を振り返る機会にもなります。一方で、体力面・安全面での負担も伴うため、無理をしない範囲で計画を立てることが大切です。
すべてを一人で抱え込まず、家族の協力を得ながら、必要に応じて一部だけ業者に依頼するという柔軟な進め方も検討してみてください。費用面だけでなく、体力や気持ちの負担も含めて総合的に判断することが、後悔のない選択につながるはずです。ご自身のペースで、無理のない遺品整理を進めていただければ幸いです。
本記事で紹介した費用はあくまで目安であり、実際の金額は自治体のルールや荷物の量によって異なります。